PROJECT02
GRAND PATISSIER COURSE
農園から菓子を作る職人が
当たり前の時代を創る
日本を代表するパティシエ・鎧塚俊彦シェフがプロデュースする唯一無二のコースを、ゼロから創造した。鎧塚シェフによる人間教育をベースに、一夜城 ヨロイヅカ・ファームでの農園実習、産学協同企画などこれまでにない取り組みに挑戦する。
農場実習を叶えるため、小田原市との協力体制を築いた。行政との連携を取ることで、学生たちは、小田原市のいちご農家を定期的に訪れることができる。素材作りの大変さと大切さを知ることができるカリキュラムも革新的だ。
MEMBERプロジェクトメンバー
細井 信宏
2001年 新卒入社
レコールバンタン東京校事業部長
グランパティシエ学科起案者のひとり。鎧塚シェフにアプローチし、新コース立ち上げまでの交渉を主導。
植田 一郎
2003年 中途入社
レコールバンタン東京校MDグループ チーフ
グランパティシエ学科立ち上げ責任者。新コースのPRイベントの運営や、新入生たちのフォローなど多方面にわたる。
竹内 裕
2008年 中途入社
レコールバンタン東京校 マーケティンググループ チーフ
グランパティシエ学科学生募集を担当。学校案内資料の制作や体験イベントのディレクションも担う。
濱田 彩
2017年 中途入社
メディアマーケティング部 広報担当
記者会見のアレンジや、プレスリリース制作、メディア対応など広報業務を担当。
※2018年10月時点の情報です。
「技術を習得して終わり」では古い。
食の業界が抱える、人材育成の課題
細井これまでの製菓専門学校の教育は、「技術習得」に重きがおかれてきました。世の中がスピーディに変化し、体質がなかなか変わらないとされていた食の業界も変化している中で、従来の「練習を繰り返して技術を身につける」という教育スタイルには、疑問を感じていました。そこで、業界のトップクリエイターである、Toshi Yoroizuka 鎧塚俊彦シェフに相談することに。未来の食の業界を牽引する人材輩出のためのヒントが得られるのではないかという狙いがありました。
植田鎧塚シェフには、3ヶ月ほどかけてレコールバンタンの教育理念をご理解いただき、カリキュラムづくりなどお願いしたいポイントを細かく整理しました。鎧塚シェフが信頼をおく、当時のヨロイヅカ・ファームの吉田シェフが、レコールバンタンの卒業生だったことも大きかったと思います。それでも、実際に開校を目指すのは、2019年か2018年か、直前まで決まりませんでした。劇的に進んだのは、一夜城 ヨロイヅカ・ファームでシェフと食事をご一緒したときですね。
細井実際に、鎧塚シェフと小田原市の方々がゼロから築いたファームを見て、私たちも感銘を受けたんです。ガスも電気も通っていなかった山をゼロから開拓されて、近辺の農家さんとコミュニケーションを取られて、店舗の一部では地元野菜が買えるマルシェも開かれています。そうしたシェフの取り組みを目の当たりにし、コースのコンセプトである『Farm to Table(ファーム トゥー テーブル)』が決まりました。また、2018年4月に開校しようということで合意し、一気にプロジェクトが動き始めました。
細井鎧塚シェフは、パティシエの働き方についても課題感を持って取り組んでいます。例えば、社内の女性パティシエが、30代後半になっても現場に立てるようにと、子育てをしながらなど、女性のパティシエが長く働けるような労働環境、仕組み作りをされたり。食の業界でもとても顔が広く、人格者であるということもコース設立の追い風になりました。
まったく新しいコースを組み立て、
PRし、創る。それぞれが直面した難しさ。
竹内並行してマーケティングチームも動いていました。個人的には、2018年の開講は厳しいのではないのかと思っていましたが、順調に話が進んでいったので、急遽学科案内パンフレットを準備し、学校見学に来てくれた人たちに伝えていきました。しかし、グランパティシエ学科に関してはイメージが伝わり辛かったですね。そもそも、他のスクールが取り組んでいない新しい試みなので、高校3年生にイメージさせるのはハードルが高く……魅力を伝えられるようになるまでに時間がかかりました。
濱田コース設立の記者発表会も行いましたね。広報は発表会当日のコンテンツを用意し、メディアアプローチのための制作物を多く手がけました。事務作業も多く大変でしたが、新コースのPV撮影ではバンタンデザイン研究所の卒業生の力を借りることができ、とても美しく、いい映像を作ることができました。
細井通常、バンタンではスクール単位で事業計画をたて、学校内のメンバーで動いて形づくっていくのですが、今回は会長も動いてくれて、オールバンタンでの取り組みでした。過去にも色々と新しいコースを作っていますが、これほどまでの全員戦はいまだかつてないですね。
学生たちが満足し、成長している。
描いたイメージが形になっていく実感
細井今、グランパティシエ学科の学生たちは授業にとても満足していて、すごくいい状態です。いちばんやっていて良かったなぁと感じるのは、学生たちが生き生きと学んでいる姿を見られたときですね。また、他の学科からも編入したいという学生が4名ほど出てきています。
濱田鎧塚シェフが教育を始めるということで、食や教育のメディアから反応があるだろうと予想していましたが、意外にもビジネスや経済メディアからの評判も良かった。目指していた『食の業界を変える』というコンセプトが、しっかりとメディアにささったという感触が得られたことを実感できて嬉しかったですね。また、最初の一夜城 ヨロイヅカ・ファームツアーに同行したとき、参加した学生たちが『レモンの葉を取ったら、柑橘系の香りが感じられた』と、コースの本質を感じてくれたのが印象的でした。実際に、ツアー体験してから入学してくれた人も多く、自分たちが準備してきたことが、きちんと響いていると感じられるのもやりがいのひとつです。
行政からのバックアップを得て
大阪校での開校が現実に
植田まずは、大阪校での開講を実現したいと思っています。大阪校でも、行政との連携はハズせないと考えていました。保護者の方々にとって安心感もあるでしょうし、行政の支援があることで理想の農園実習を行うことができます。
結果、大阪府からのバックアップも得られて、ブランドイチゴ「ちはや姫」の農家さんとの取り組みが決まっています。
竹内また、嬉しいことにパティシエ学科全体の生徒数も増え始めています。今のところ、グランパティシエ学科の定員数は最大20名と決めていますが、初年度で上限に迫るほどの人数になりつつあります。2年後をめどに、レコールバンタンの入試のあとに、グランパティシエ学科の選考会がある、というような特別なコースとして確立できればと思っています。
細井少しずつではありますが、事業計画で組み立てていた理想のイメージに近づきつつあります。グランパティシエ学科が、レコールバンタンのスクール価値の向上に繋がると思っています。