WWDジャパン編集長代理 兼 ファッションニュース編集長 村上要氏インタビュー

50周年おめでとうございます。50年って、本当長い歴史ですよね。伝統校って、時に古風かつコンサバで、正直、今のファッションを教えられる時代に即した環境なのかなと感じてしまうこともあります。でもバンタンに来ると、いつも校風の中に新しさを感じる。50年経ってもそういう雰囲気を感じられるのは、純粋にすごいと思います。

僕がバンタンと関わるようになったのは、3年くらい前からです。バンタンが主催するイベントの審査員にお招きいただいたり、バンタンで講師をなさっている知り合いの方から声をかけてもらい授業にゲストという形で参加したり。年に数回ですが、学生の皆さんの前でお話させていただいています。

先ほどバンタンからは常に新しさを感じるという話をしましたが、バンタンの学生さんは圧倒的にオシレで、ファッションを楽しんでいる印象です。それって実は、ファッションの専門学校から必ず感じるものでもないので、バンタンは、すごく自由なんだろうなと思います。

学生さんたちの作品を見て特に思うのは、奇抜な格好をしている割に、実はビジネスのこともちゃんと考えているというところです。一見「俺は創りたいものだけを創っていればいいんだ」みたいに見える派手な子でも、きっちりマーケットやターゲットのことを考えていて、ビジネスマインドも見え隠れしています。バンタンはものづくりとビジネス、その2つのバランスがとても良い学校なんだと思いますね。色々な学科の学生と刺激を受け合いながら一つのものを作っていく環境も多分に影響しているんだと思います。

僕自身はというと、毎週発行しているWWDジパンという週刊紙と、年に8回発行しているファッションニュースという雑誌を世に送り出す仕事をしています。仕事柄業界の人に会ったり、世界のファッションショーに行ったり、バンタンでやるようなセミナーも年間で30本強くらい行なっています。セミナーでは自分自身が最新のコレクションを着て、この洋服はこうやって発表されたんだよと話しています。百聞は一見に如かず、ですからね。「伝えたい情報を、どういう手段で伝えれば一番効果的か?」ということを日々考えているメディアの人間として、そういったセミナーもやっていかなければならないことだと思っています。

今のファッション業界は、ここ数年本当に景気が悪かったので、短期的な利益のことしか考えられないブランドも多く、業界全体がファッションの10年後、100年後を考える心の余裕を失くしていたと思います。ですが、ようやく景気が少し良くなってきたことで、目先の利益だけでは業界が魅力的にならないと考えられる人が増えてきたし、ファッションが持つ“夢”や“ファンタジー”の要素に目を向けられるようになってきました。いま現在は、数年前よりクリエイターやデザイナーら作り手の感情や想いが大事になっていると感じます。

メッセージ

ファッションの世界に携わる以上、何よりもまずファッションを楽しんでほしいです。先生も学生たちもみんな。ファッションは楽しくあるべきものだと思うんです。先生たちがファッションに熱狂している学校はすごく素敵だと思うし、先生がファッションを楽しめていなかったら、それは学生にも伝わります。だから、先生たちも楽しんでほしい。そして学生たちにおいても、夢に溢れる自分たちがビジネスの中心である東京という場所で勉強できる意義を感じて、楽しみながら日々学んでくれたらいいなと思います。これからも頑張ってください。